私はこの10年、アライメントベースでヨガの練習をしています。はじめの頃は”アライメント”という言葉も知らずに練習していましたが、先生の説明がとても素敵だったので気に入っていつも覚えています。
「人間の体はそうデザインされている」。
すでに与えられているデザインは人であれ植物であれ鉱物であれ、自然界の秩序そのものでとても美しいと感じます。
私たちは自分自身にもこの”自然の秩序”が備わっていることに気付かず、ワガママにこの体や心を扱いがちです。
そんな体に”与えられたデザイン”に沿って修正をかけていくと、なんだかとても謙虚な気持ちになります。
自分の体をどう使っても私の勝手…ではなく、全ては与えられ、支えられて生きていることを感じやすくなります。
「アライメント」を私のことばで説明すると、“体の各パーツに適切な場所で適切に仕事をさせること”。
まるで会社みたい。適切な配属で監督が行き届いた会社はパフォーマンスも高いでしょう。(逆も然りですが)
アライメントベースのヨガの旅は本当に地味で面倒で時間がかかります。でも、年々快適になる「体と思考」にやみつきになってやめられなくなるのも事実です。
“修正をかける”ということは”クセを直す”と言い換えることもできます。体だけでなく考え方の偏りにも意識を向けると生活がとてもシンプルになります。
昔読んだヨガの本に、物の見方が思考を作り、思考が行動を作り、行動が習慣を作り…みたいなことが書かれていましたが、大好きなチョコレートやお酒をやみくもにガマンしてもうまくいかないのは、根本にある”基本的な物の見方や考え方”を見落としているからです。「大好き」と「大嫌い」にはもっと根深いなにかが潜んでいるものです。
一旦私の好みを横に置いて、あらゆる”与えられたデザイン”に合わせてみると、やらなくていいことや考えなくていいことがたくさん発見できます。
アライメントベースで練習を続けていると、体の安全はもちろんですが、心もしっかり守りながら強く育てていくことができるとわかってきます。
何度も、めんどくさいことをしながら、時間をたっぷりかけて、どこまでいってもゴールがない。…でも楽しい。
こんな感じの視点でヨガを長く楽しむこともできるよ、ってことをたくさんの人に知ってもらえたら嬉しいです。
コメント